購買力平価

キンキンに冷えたアサヒ・スーパードライが恋しくなってきた。と思いきや、田舎町(バッキンガム)の小さなスーパーに、スーパードライの大瓶(633ml)が置いてあった。しかも、2ポンド=300円だから日本よりかなり安い。

中華料理屋で “A pint of bitter” と注文したら、しかめ面をして “We don’t have bitter, lager only” と言われたので、”What kind of lager?” と聞いたら “チンタオ” と誇らしげな返答。中華料理屋等の「民度」はまだまだ低いようだ。

12年前に借りた家は月625ポンドだった。いま交渉中の家は月795ポンド。住宅価格は上がっているが、円/ポンドレートが200円から150円に下がった(円高)ので、結局、円ベースでは変化なし(今のほうがすこし安いくらい)。

12年前は、商品の値段(ポンド)を2倍して100をかければ円換算できた。いまは、150倍しなければならないので暗算がちょっとしんどい。

まだ、こちらに来てから10日ほど。この国はまさに Merry England 道ですれ違うだけで見知らぬ者どおしが会釈しあい微笑みあう。すでにいろんな人と語り、笑いあった。そして、すでにもう、一年先のことを想像して、憂鬱な気持ちになっている。一年先には日本に帰国せねばならない。この国をあとにする寂しさと、達成感の乏しさ。今回はせめて後者を極小にして日本に帰国したい。

ローラ、ダイアン、玉置浩二

12年前にこの地バッキンガムでお世話になったローカル(地元の人)。ローラは不動産屋の女主人、ダイアンは英国空軍向けの食堂や宿舎の経営者。いずれも私より一回りは年上。
まず先週金曜日にオックスフォードのダイアン宅を訪ねてみた。実はこの邸宅、10年ほど前に売りに出されているのをネットで偶然に発見していたのだけれど、案の定、持ち主住人は違う人になっていた。前の住人の消息をご存知ならば教えてもらおうと、庭に入ってドアをノックしようとしたが、同行者に止められた。ひょんなことから知り合いになり、この邸宅にお邪魔してはいろんなことを話した(話に付き合ってくれた)人。入国時に1200ポンドで購入したVWの中古車を、帰国前に1000ポンドで買い上げてくれた人。
そして今日、ローラの不動産屋を訪ねてみた。年かっこうの近そうな女性がいたので、借家を探していると話しかけ(店の雰囲気がまったく変わっていて借家はもはや扱っていないことは明らかだったけれど)、「あなたは13年前にこの街で私に家を紹介してくれたローラですか?」とたずねてみた。即座に「違う」と答えが返ってきたが、「たしかにその頃の経営者はローラという人で、女だけで店をきりもりしていたと聞いている、そう、あなたは彼女たちを知っているのね」。こちらがこわしたシャワーやらベッドやらの修復を全部家主に負担させてくれて、敷金はもちろん全額返済。帰国直前に最後にかわした会話を覚えている。「今度はいつ来るの?」「もう二度とないです」。

海外に出ると、なぜか(ただちに)、日本の楽曲をやたらに聞くようになる。20年前はスピッツ「楓」(ボクのままでどこまで届くだろう)だったが、今回は(なぜか)玉置浩二なのだ^^。

メロディー
男はつらいよ

英国到着

17日朝(日本時間)に関空から出国、トランジットの香港を経て、同日20:30(英国時間)に、12年ぶりにヒースローに降りたつ。

12年前と同じキャセイパシフィックのエコノミークラス(早期予約の格安チケット)だったが、トランジットの香港国際空港はまったく様変わりしているように思えた。
以前にこの空港内でコーヒーを飲んだときには、Bill 勘定書もなくて、うさんくさい中年男の定員が(日本語で)「コレ、千円よ千円」と請求してきた記憶があるが、いまや店員はスマートな制服組ばかりで全員が流ちょうな英語で白人に応対している。逆に、キャセイの機内でもそうだったが、日本語はほとんど通じなくなってきたようだった(すでに日本人は「上客」ではないということだろう^^)。Bill には、香港ドル・米ドル・円・ユーロなどいろんな通貨での勘定が記載されていて、外貨で払うと香港ドルでおつりをくれる(ただ、こういうときには、「釣りはいらない」keep the change と言ってカッコよく立ち去るのがマナー^^)。通路を闊歩する女性が一様に細身で美しい。ぶしつけな言い方だが、香港系(中華系?)は、日本系に近いように思う。アジア系の女性を見かけたら、たとえば韓国系はなんとなく分かるけれど、中国人か日本人かは外見だけではわからないと思う。空港内の広告板に若い女性の巨大な顔写真、愛くるしさに見とれてしまった(日本人の女優かと見間違えた)。

ロンドンから鉄道を乗り継いで、目的の在留地(バッキンガム州)へ。受け入れてくれた旧知の先生の温かい歓迎に心が震える(「一番」と大きく書かれたTシャツと、キティちゃんのメモ用紙を土産に持参した)。12年前ももちろん歓迎してくださったのだが、12年前と違っていたのは(私の英語が少しはマシになったということだろうか)、英国をめぐる最近の二大トピック(Brexitとスコットランド独立)でいきなり話が盛り上がったこと^^。

日本から、MacBookProを2台、iPhoneを2台、iPadを1台持参したが、iPhoneとiPadに,英国の新興業者(three.co.uk, ロゴは数字の 3)の SIM カードを挿して、問題なくネットにつながっている(田舎なのでときどき 3G もしくは不通となるけれど・・・^^)。テザリングもできるので(日本のネットでは「できない」という噂だったが)、MacBookProの接続も快適。ホテル内ではもちろんWiFiで接続しているのだが、ロンドンはともかく、バッキンガムのホテルでもWiFi完備にはちょっと驚いた(しかも相応の高速で、こちらに来てから、iOS11へのアップデート、仮想windows10マシンのアップデートをした^^)。
同行の家族用には、こちらで HUAWEI の格安アンドロイド機(130ポンド=20000円)を購入して、やはり three の SIM カードを挿している(このデバイスについては初期設定にかなり苦しんだが、なんのことはない、タイミング悪く three 側の受入サーバがダウンしていただけだったもよう^^)。格安アンドロイド機、なかなか好調。
最寄りの都市(Milton Keynes や Aylesbury)のショッピングモールには、かつての「新興」にして現在の「王者」O2 と、現在の「新興」three が店舗を並べて競っている。O2 が確立したビジネス・モデル(”top-up”, 携帯料金のプリペイド補充)に12年前にはお世話になったが、日本からやってきて数日の私の目にも明らかなように、価格競争では three の圧倒的勝利といったところだろうか。いまや top-up という用語さえ three の専売特許になりつつあるような印象すら持ってしまう。

正直に言うと(諸般の事情により)今回の英国行きは気が重かったのだけれど、バスの車窓から見る広大な草原、一面みどり、一面黄色の風景に、おもわず涙腺がゆるんだ。多くの日本人訪問者が言うところの「心が洗われる」(心の憂さがいっときでも晴れる)というヤツか。心して、課題の達成に邁進したい。

いましばらくホテル住まいにて、借家を探す(今回は慎重にいきたいのだが・・・)。ホテルの朝食(イングリッシュ・ブレックファースト)も、12年ぶりのせいか、とても美味しい(日本出国前はB級食堂・居酒屋での外食が多かったせいかも)。
この数日間ですでに飲んだビール(エール)は、ロンドン・プライド、IPA、ジョン・スミス。一番の好み(ボディントン「マンチェスタ・クリーム」)は、ロンドンやこのあたりではやはり飲めないようだ。