テレビ

海外で暮らすと、なぜか、紅白歌合戦を見たくなる。以前は見られなかったのだが、今回はすでに視聴準備を完了している(竹原ピストルとエレファントカシマシは見逃せないよ^^)。

まぁ世の中便利になったもので、海外からでも(おカネをかけずに)紅白歌合戦をカンタンに楽しめる。日本国内からiPlayerでBBCを見るのとちょうど逆のことをやる。つまり、NHKオンデマンドの視聴契約をして、日本国内の代理サーバ(インターリンクなど)からアクセスすればよい。

ところで、英国のテレビというとBBC、これ以外の「民放」は実質的にはITVのみ。しかし今回は、テレビ番組がとても退屈で、「手抜き」が多くなったように思えてならない。おそらく、英国でも、テレビはどんどんつまらなくなっているのではないだろうか。

なにより、13年前とまったく同じ番組が多すぎる^^。「クエスチョン・タイム」「ハード・トーク」など、中身も司会者もまったく変わらない(討論番組なのでテーマはもちろん毎回ちがってはいるけれど)。

また、看板のBBCドラマがつまらない。これはほんとうに残念なこと。というのも、13年前、BBCドラマには、まことに、泣きに泣かされたものだったから^^。「ケンブリッジ・スパイ」では、ソ連のスパイとなったケンブリッジ出身のエリートたちが祖国を追われる船上で号泣、祖国イングランドの名を何度も叫ぶラストシーン。「カサノバ」では情緒たっぷりのヴェニスの描写、これの挿入歌は未だによく口ずさむものだが・・・などなど。しかし、最近のBBCドラマにはヒット作が見当たらない印象。日本でも人気の、ベネディクト・カンバーバッチ+マーティン・フリーマンの「シャーロック」も、ネタがつきた感は否めない。

クイズ番組が多いのも日本と共通した傾向。ただし「東大王」や「有名大学対抗戦」などという(くだらない^^)ふれこみは、こちらではいっさい見当たらない。ふつうの人たちがそれぞれの職業を名乗り、知識を競い合うという印象。アファーマティブ政策(積極的差別是正主義)によるところも多少はあるのかもしれないけれど、たとえばオックス・ブリッジの現役学生などが出てきても、だいたいは、どこぞの小学校の先生あたりにコテンパンに負けているので、特別扱いをする意味がないようだ。

昨日の夕刻にたまたま見ていた「ポイントレスpointless」というクイズ番組。さまざまなことに関して100人にアンケート調査を行った結果が、出題となる。写真は、日本に関することがら(富士山、新幹線、本州、武士道、京都)で、イギリス人100人のうち知っている人がもっとも少なかったのはどれかを言い当てる問題。武士道はほとんど知られておらず、新幹線や京都がよく知られている(といっても6割弱)。

なお、BBCの予算が少ないかというと、そうでもないようで、BBCの事業収入は7440億円(75%が受信料収入)。NHKの事業収入は6868億円(96%が受信料収入)。人口が2倍の日本の国営放送のほうが予算が少ない(1ポンド=150円で換算)。

Brexitの二枚舌, Nissan Institute

こちらに来てから、「データサイエンス」まわりのいろんな文献を漁っている(カネ=私費に糸目をつけず^^、定番の書籍やMoocs講座も含めて)。この「本業」のほうは、まぁ、然るべき場所においおいpublishしていくこととして、経済学研究者のはしくれとしては、やはり、Brexitは興味深い。

学術誌やロンドンEconomist等は世界中どこでも読むことができるが、英国ローカルの「真面目な?雑誌」はないかと探して(週刊誌風ではなく極左極右風でもなく^^)、ひとつ見つけた(こちら、Prospect Magazine)。

これの今月(2017年12月)号がBrexit特集なのだが、元BOE(英国銀行)委員(日銀政策委員ほど偉いものかどうかは知らない)らのかなり悲観的な見通しを掲載している。最大の「顧客」EUへの輸出が激減、中国・インド等との新自由協定は輸入を増やして国内産業を圧迫するだけ、(移民減少により)労働生産性(実質賃金)が低下して消費が低迷し、産業競争力も大きく損われ、物価上昇とポンド安により国民生活はどんどん悪化し・・・という「悪夢のシナリオ」が延々と語られている。

それがまさにBrexit派の望んだことなのだろうからそれでいいのではないのですか? と私などは思ってしまうのだが・・・どうやら、Brexit派というのは、複雑なのだ(いまごろ、気づくことではないのかも^^)。つまり、Brexit(EU離脱)派というのは、ふたつの、まったく相異なる利害集団の烏合の集まりではないのだろうか。ひとつは「落ちこぼれ組」、もうひとつは「超エリート組」。前者は、EU単一市場がもたらす「競争」に敗北した国内生産者とイギリス人労働者たち。彼らは心底から「鎖国」、つまり、関税を上げて国内産業を保護し、安価な移民労働者の流入を止めることを望んでいる。いっぽう、後者はダイソンに代表される超効率的なイノベータで、彼らは世界のどこででも勝てるから、EUの単一市場がむしろ足かせとなっている。EUを捨て、もっと広い世界市場へ打って出ることを望んでいる。
しかしまぁ、「超エリート組」が英国経済全体にもたらず恩恵は限定されているのだろうから、近未来予測としては、(上に記したような)「悪夢のシナリオ」がもっともらしい。ただ繰り返しだが、それは国民の過半数が望んだことなのだから、それでいいのではないのだろうか。。

なお、上の「真面目な?雑誌」の関係で余談をひとつ。オックスフォード大学には、「日本研究センター」がある(Nissan Institute of Japanese Studies)。オックスフォード市街の北のほう、閑静な住宅地のなかにセンター(+図書館)がある。13年前にも訪れたのだが、ここの図書館では、「文藝春秋」「中央公論」「世界」「経済セミナー」など、日本で発刊されている雑誌の最新号が閲覧できる(「世界」などは、マンチェスタの市民図書館などでもそうだったけれど、創価系や幸福の科学系とならんで、根強いものがあるようだ)。日本研究とアジア研究の大学院が併設されて(13年前にはなかったと思う)、独立採算を目指すといったところだろうか(部外者のまったく的外れの推測だけれど、予算が縮小されている印象はやはりある)。
これのひとつ北の狭い路地(North Parade Avenue)に The Gardener’s Arms というパブがあり、オックスフォードに行ったら、昼飯はたいてい、ここの Today’s special 6.25GBP + a pint of bitter で済ませる。13年前とまったく変わらず^^。

和食は詐欺、ロケット・ロニー、Brexit

簡易検査キットを購入して、毎朝の空腹時血糖値を計測することにした。もうずっと以前になるけれど、ある知人の若すぎる死(と、それに至る衰弱・格闘)を目の当たりにしたので、糖尿病がことさら怖い。一昨年だったかに血糖値が120を超えたときに運動をはじめて100前後まで戻していたのだが、こちらに来て運動をやめた途端にあがりはじめた。少し前からランニングは再開したけれど・・・こちらでのストレスが原因というより、インスリンの分泌量が減少していくのは年齢相応の変化ではないかと思い始めている。Amazon.UKでは、「私は糖尿病です」という自己申告により、簡易検査キット(韓国製)が割安になる。最初の購入では正価で購入したが、追加セットの購入時には自己申告で割引してもらおう。

なお、いわゆる「糖質制限」食の実践は、こちらでは相当に難しい。まず、イギリス料理のメニューは、(言わずと知れたことながら)ほんとうに貧困で、外食では、糖分・塩分・飽和脂肪酸の大量摂取はまず避けられない。街を歩く人の90%以上は肥満で、だらしなく醜い風体(「痩せたソクラテス」は有色人種ばかり)。イタリアン・フレンチ・和食・中華などなどとレストランの数はやたらに多いが、「もういちど来てもよい」と思える店は、中華以外にはありえない。外食は、近所の中華バフェット(食べ放題)と中華テイクアウェイ(持ち帰り、take outは米語で、英国ではtake away)をそれぞれ週一で利用するだけにして、あとは自宅で、麺・パン・ご飯・イモ・フルーツをできるだけ避ける。

ちなみに、こちらの和食レストランは、マズいとかオカシイといったレベルをとっくに通り越して、呆れて笑うしかない。Wagamama(わがまま)やWasabi(わさび)など日本語の店名を名乗るレストランは数多いが、すべてハッタリのまがいものと断言したい。寿司(らしきもの)のシャリがカチカチ、ラーメン(らしきもの)の麺はのびほうだい、具材はあやしげで生臭く、ベースとなる出汁(らしきもの)はあくまで無味で辛いだけ(そもそも、こちらの人たちの舌は、アミノ酸やグルタミン酸の旨味成分を感じられないという説を、昔にどこかで聞いたけれど・・・)。調理人や給仕が真顔で仕事をしているのが、なんともイタくて滑稽だ(wagamamaでチップを要求してきたのには呆れた、恥を知れ^^)。

「ロケット・ロニー」の愛称を持つスヌーカーのベテラン、ロニー・オサリバンが全英選手権6度目の制覇。20年前(1997年)、私がはじめて海外に滞在し(マンチェスタ)、はじめてスヌーカーという競技を見たときにも、全英選手権を制したのは、彼だった。スヌーカーというと(語源からしても)小ずるい策略がポイントのような印象もあるが、彼の試合運びは実直そのもの。今日の決勝でも、途中からブッチギリの一人旅で、相手をまったく寄せつけなかった。当時22歳の美少年もすでに42歳。白髪交じりながら、およそスヌーカー選手らしくない風体、暑苦しい「ソース顔」がなつかしい。

20年前(1997年)といえば、ダイアナ妃が交通事故死、若きトニー・ブレアが率いる労働党(New Labour)が総選挙で圧勝した年。ブレアの「第三の道」は鳴かず飛ばずで、けっきょく彼は「テフロン・トニー」という不名誉な異名を持つ嫌われ者に落ちぶれた(テフロン加工のフライパンのように、何を言われてもまったく反応がなく頼りにならないの意)。

そのブレア氏が、さいきん、保守党の元首相メイジャー氏と共同で、Brexitに警鐘を鳴らす発言をした。発言じたいはほとんど注目されなかったようだが、こんな「ご隠居」の発言までが飛び出すほど、Brexitについては侃々諤々の議論が続いている。日曜午前のBBC-one、9時からの”Andrew Marr Show“と、11時からの”Sunday Politics“は、首相をはじめ有力な政治家やジャーナリストが招かれて、BBCきっての解説者 Andrew Marr と Sarah Smith が「激論」を仕切る番組だが、いまは毎週Brexitの話題で持ちきり(とはいっても、けっきょく、Brexitをどうしろといっているのか、結論はいつもあいまいな印象だけれど)。

こちらの大学関係者(※取材対象は少数^^)が言うには、Brexitは大衆のアホstupidな選択だったというものだが、かの掃除機のダイソン創業者(James Dyson氏)はEU脱退に大賛成のようだし、経済学者のなかにもBrexitを支持する人はいる。たとえば、こちらの記事では、Brexitがもたらす経済効果について、支持派マクロモデルの予測結果が紹介され、反対派の反論も掲載されている。

支持派モデルの予測はとても楽観的なようだが、これほどメリットが大きく上回ることはないとしても、デメリットが禁止的に大きなものでないのならば、Brexitでよいのではないかと、(部外者の個人としては)思う(国民の過半数が、はっきりNoと決めたことなのだし、彼らがNoと嫌がる理由も明らかだろうと思う)。まぁ、ここしばらくの議論の焦点は、「離婚の請求書」(EU脱退のペナルティー、日本円で6兆から8兆円ほど?)で、これはやはり禁止的に大きい損失かもしれないけれど。  
現時点での私の直感的?理解は、「ミクロ経済学の力」(神取)あたりに依拠するのだけれど・・・パレート改善となる経済政策は事実上皆無で、実は補償原理などが実践されたこともない。それでも、経済発展のための開発政策が受容されてきたのはなぜか。Brexitを考える際に重要なキーワードは英国のSocial Mobilityではないかと思っていた矢先に、先週末Social Mobility委員会解散のニュース。「公平な英国」へ向けてなんの進歩もないというのが解散の理由? ふと思いだしたが、20年前の流行語は、たしか New born rich(新しい中産階級層の増大)だった。

血糖値135(とうとう超えた)

トロいトロいボケナス英国人のおかげで、ストレスたっぷりの毎日。貴重な研修期間を、まったくアホげたことに浪費してきた。しかし、ようやく落ち着ける環境になりつつある(ようだ、と安心した途端に別の災難が生じる毎日だったんだけど・・・^^)。

まず、家の件。入居直後から要求しつづけていた、全室の暖房ヒーターの新品交換が、入居後ちょうど2ヶ月後の一昨日にようやく完了。ぶあついコートを着て食事をとりテレビを見る必要はなくなった。しかし、これがまた、さほど効率の良いヒータではないようで(ケチりやがったな)、電力を食うわ食うわ(まぁ、いいんだけどサ)。

ロイズ銀行の口座凍結事件。五流六流クズ銀行の口座なんぞいらんから、とにかく、オレのカネ200万円を返せと、支店に日参して訴え続けること3週間(家から徒歩1分なので)、ようやくおカネが回収できた。なぜこんなことになったのか、理由はまったく不明。謝罪もいっさいナシ。「数百万円を一気に転送したので日本からのマネーロンダリングを疑われたのではないか」という「識者」のコメントもあったが、英国の銀行間転送で日本からの送金ではなかったので、ハズレ(偉そうに言うなら、少しでも助けてくれればうれしかったのに・・・)。

おかしな電気料金請求書の件。電力ガス会社の事務が特にヒドいことはずっと以前から聞く話で、同じような体験をした日本人のブログ記事もすぐに見つかった(「文句を言うのに疲れました」)。私も、この1ヶ月ほど、あきれた料金請求書に対して電話とメールで文句を言い続けたのだが、とにかく、何をどう説明しても、相手は正真正銘筋金入りのアホバカ怠け者。ガキにもわかる単純な理屈説明も、二階から目薬、猫に小判、ブタに真珠。
この件でさらに消耗したのは、おかしな請求のもともとの原因となる致命的な大ポカ(入居前のメーター値検針がなされていなかった)をやった不動産屋の当事者たちが、謝罪もせずに逃げまくったこと(「おまえのせいだからな」と脅したら、アホが必死で弁解をして、「私なりに追求します」などとのたまっていたが、証拠探しにもまったく協力してくれなかった)。
しかし大学関係者から Citizens Advice という役所のサービスを紹介してもらい、そこへ持ち込んだら、どうやら、解決のめどがついた。役所の担当者に請求書のおかしさを説明したら2分で理解してくれて、その場で、電力会社に電話をしてくれた。Citizens Advice というのはかなり権威のある機関のようで、電話の向こうのアホバカ怠け者の応対がいつもとはまったく違う。で、けっきょく、「請求書を訂正して再送します」という返事が得られた。アホらし。
この件についても、「たいした額じゃないんだから、払ってしまっておしまいにしなさい」というアドバイスをくれた「識者」がいたのだが、そんな問題ではないだろう(無法な輩を許していてはいつまでたっても腐った社会のまま^^。というか、相当数のとくに留学生がダマされて泣き寝入り/気づかずに払いすぎているのでは・・・)。いやはや、まぁ、この国は法治国家ではないのだろうと真剣に疑いはじめていたので、役所が毅然と対応してくれたことにちょっと感動、救われた気にもなった(実は、まだ半信半疑だけれど・・・^^)。