和食は詐欺、ロケット・ロニー、Brexit

簡易検査キットを購入して、毎朝の空腹時血糖値を計測することにした。もうずっと以前になるけれど、ある知人の若すぎる死(と、それに至る衰弱・格闘)を目の当たりにしたので、糖尿病がことさら怖い。一昨年だったかに血糖値が120を超えたときに運動をはじめて100前後まで戻していたのだが、こちらに来て運動をやめた途端にあがりはじめた。少し前からランニングは再開したけれど・・・こちらでのストレスが原因というより、インスリンの分泌量が減少していくのは年齢相応の変化ではないかと思い始めている。Amazon.UKでは、「私は糖尿病です」という自己申告により、簡易検査キット(韓国製)が割安になる。最初の購入では正価で購入したが、追加セットの購入時には自己申告で割引してもらおう。

なお、いわゆる「糖質制限」食の実践は、こちらでは相当に難しい。まず、イギリス料理のメニューは、(言わずと知れたことながら)ほんとうに貧困で、外食では、糖分・塩分・飽和脂肪酸の大量摂取はまず避けられない。街を歩く人の90%以上は肥満で、だらしなく醜い風体(「痩せたソクラテス」は有色人種ばかり)。イタリアン・フレンチ・和食・中華などなどとレストランの数はやたらに多いが、「もういちど来てもよい」と思える店は、中華以外にはありえない。外食は、近所の中華バフェット(食べ放題)と中華テイクアウェイ(持ち帰り、take outは米語で、英国ではtake away)をそれぞれ週一で利用するだけにして、あとは自宅で、麺・パン・ご飯・イモ・フルーツをできるだけ避ける。

ちなみに、こちらの和食レストランは、マズいとかオカシイといったレベルをとっくに通り越して、呆れて笑うしかない。Wagamama(わがまま)やWasabi(わさび)など日本語の店名を名乗るレストランは数多いが、すべてハッタリのまがいものと断言したい。寿司(らしきもの)のシャリがカチカチ、ラーメン(らしきもの)の麺はのびほうだい、具材はあやしげで生臭く、ベースとなる出汁(らしきもの)はあくまで無味で辛いだけ(そもそも、こちらの人たちの舌は、アミノ酸やグルタミン酸の旨味成分を感じられないという説を、昔にどこかで聞いたけれど・・・)。調理人や給仕が真顔で仕事をしているのが、なんともイタくて滑稽だ(wagamamaでチップを要求してきたのには呆れた、恥を知れ^^)。

「ロケット・ロニー」の愛称を持つスヌーカーのベテラン、ロニー・オサリバンが全英選手権6度目の制覇。20年前(1997年)、私がはじめて海外に滞在し(マンチェスタ)、はじめてスヌーカーという競技を見たときにも、全英選手権を制したのは、彼だった。スヌーカーというと(語源からしても)小ずるい策略がポイントのような印象もあるが、彼の試合運びは実直そのもの。今日の決勝でも、途中からブッチギリの一人旅で、相手をまったく寄せつけなかった。当時22歳の美少年もすでに42歳。白髪交じりながら、およそスヌーカー選手らしくない風体、暑苦しい「ソース顔」がなつかしい。

20年前(1997年)といえば、ダイアナ妃が交通事故死、若きトニー・ブレアが率いる労働党(New Labour)が総選挙で圧勝した年。ブレアの「第三の道」は鳴かず飛ばずで、けっきょく彼は「テフロン・トニー」という不名誉な異名を持つ嫌われ者に落ちぶれた(テフロン加工のフライパンのように、何を言われてもまったく反応がなく頼りにならないの意)。

そのブレア氏が、さいきん、保守党の元首相メイジャー氏と共同で、Brexitに警鐘を鳴らす発言をした。発言じたいはほとんど注目されなかったようだが、こんな「ご隠居」の発言までが飛び出すほど、Brexitについては侃々諤々の議論が続いている。日曜午前のBBC-one、9時からの”Andrew Marr Show“と、11時からの”Sunday Politics“は、首相をはじめ有力な政治家やジャーナリストが招かれて、BBCきっての解説者 Andrew Marr と Sarah Smith が「激論」を仕切る番組だが、いまは毎週Brexitの話題で持ちきり(とはいっても、けっきょく、Brexitをどうしろといっているのか、結論はいつもあいまいな印象だけれど)。

こちらの大学関係者(※取材対象は少数^^)が言うには、Brexitは大衆のアホstupidな選択だったというものだが、かの掃除機のダイソン創業者(James Dyson氏)はEU脱退に大賛成のようだし、経済学者のなかにもBrexitを支持する人はいる。たとえば、こちらの記事では、Brexitがもたらす経済効果について、支持派マクロモデルの予測結果が紹介され、反対派の反論も掲載されている。

支持派モデルの予測はとても楽観的なようだが、これほどメリットが大きく上回ることはないとしても、デメリットが禁止的に大きなものでないのならば、Brexitでよいのではないかと、(部外者の個人としては)思う(国民の過半数が、はっきりNoと決めたことなのだし、彼らがNoと嫌がる理由も明らかだろうと思う)。まぁ、ここしばらくの議論の焦点は、「離婚の請求書」(EU脱退のペナルティー、日本円で6兆から8兆円ほど?)で、これはやはり禁止的に大きい損失かもしれないけれど。  
現時点での私の直感的?理解は、「ミクロ経済学の力」(神取)あたりに依拠するのだけれど・・・パレート改善となる経済政策は事実上皆無で、実は補償原理などが実践されたこともない。それでも、経済発展のための開発政策が受容されてきたのはなぜか。Brexitを考える際に重要なキーワードは英国のSocial Mobilityではないかと思っていた矢先に、先週末Social Mobility委員会解散のニュース。「公平な英国」へ向けてなんの進歩もないというのが解散の理由? ふと思いだしたが、20年前の流行語は、たしか New born rich(新しい中産階級層の増大)だった。