人類の敵、長崎の鐘、信時節

掛谷英紀著『人類の敵』を読んだ。予想通りの面白い内容。著者は工学博士だが、機械学習や自然言語処理にも明るくて、面白い社会・政治分析も手がけておられる(国会議事録をベースにした「短命大臣の特徴分析」など)。
いちばん参考になったのは、Jordan Peterson や Ben Shapiro といった言論人の紹介。ポリティカル・コレクトネスやフェミニズムに関する彼らの考え方は自然で説得力があるように思える。彼らは Twitter でも発信をしているし、彼らの講演や対談は YouTube でも見ることができるが(Oxford Union での講演や Channel4 などの英国チャンネルでも)、いかんせん、彼らの超早口のアメリカ英語を正確に聴き取ることは(BBCしか聴かない私には)上級編。さっそくAmazon Audibleに再加入して、PetersonとShapiroの(彼ら自身による)録音を購入。この春休みは、アメリカ英語のリスニング訓練に精を出そう。

この本は、清水ともみ著『命がけの証言』等々とあわせて、図書館の収書本に推薦しておいた。図書館委員として、この2年間は、本当に面白くてためになる(と自分なりに思える)本を、できるだけ多く収書してもらうように努めてきたけれど、まだまだ、とうてい足りないと思う。「センセーの言うことなんぞはウンウンとテキトーにうなずいてやりすごせばよい」と小学生の頃から飼い慣らされてきた学生さんたちに、「○○国や△△新聞の言うことはぜんぶウソっぱちなんだよ」と、Petersonのように堂々と背筋を伸ばして(standing up straight with my shoulders back)大声で、講義をしてみたい(もちろん、懲戒免職にならずに、退職金はちゃんともらってやめたいけれど・・・^^)。

サトウハチロー作詞・古関裕而作曲の『長崎の鐘』。昨夜、いつものように寝床でBGMを聞いていたら、新妻聖子という歌手が歌う「長崎の鐘」が流れた。なんと感動的な歌いっぷり。背筋に電流が走り、飛び起きて彼女のことを精査し、あれから12時間ほど聞き続けている( こちら(YouTube))。

それで、「長崎の鐘」のメロディーラインの一部が「インターナショナル」に重なることに気づいた(起て飢えたる者よ)。こういうことはよくあって、ずっと気になっているのは、韓国国歌(『愛国歌』)である。

韓国国歌。実は、私は大好きで、はじめて聞いたときから、これは「信時節(のぶとき・ぶし)」だと信じている。信時潔といえば、「海ゆかば」「慶應義塾塾歌」の作曲で知られるが、「愛国歌」のおおらかなメロディーラインはまさに信時潔の作風だ。「愛国歌」のどこからでも「海ゆかば」につなげることができる(試してみればわかる)。
これの作曲者(安益泰)は、彼の地では既に「親日売国奴」のご指名を受けているそうだが、じっさい、彼は10代前半に日本にやってきて、東京の正則高校を卒業後に国立音大でチェロを専攻した。1930年代に、きな臭くなってきた日本を離れ渡欧、その後も朝鮮半島には帰っていない。東京で洋楽を学んでいた安が、同時代に作曲家としての頂点をきわめた信時潔を知らないわけがない(安が、信時の曲調を懸命に学んだ結果かもしれないけれど)。

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